RDG5 学園の一番長い日

 おもしろい。とにかく。高揚しすぎて息が荒くなりました。荻原作品がもしも連続刊行なんかされたら酸欠になってしまうんじゃないかと心配なので、これからも荻原さんにはゆっくりゆっくりおもしろい作品を書いていただきたいなと思います(勝手ながら)。
 携帯電話の使い方も含め、「現代」の「学園」を舞台にしていることが最大限に生かされています。
 今まで「そこでなぜ素直にならない…!」とやきもきさせてくれた深行と泉水子ですが、今回はささやかな(だけど大きな)一歩を踏み出してくれました。ずるいだろ。あの台詞はずるいだろ。「心変わりが百パーセントないとは保証できない」という言葉が付け加えられるのも、かえって誠意が感じられました。勾玉三部作西の善き魔女で伴侶を決めた主人公たちと、泉水子たちも同じ年頃だけれど、いかんせん今回の舞台は現代日本なんですよね。子ども扱いもだんだんされなくなるけれど、まだまだ大人と見なされない。
 それにしても真澄くん、ここにきてますます魅力的なキャラクターになったなあ……。「浮気なんかしちゃいました」のお茶目さときたら。