そんな少女になりたかった

(自分がちゃんと認められていない)つまらない日常から、夢の世界へと連れだしてくれる少女(という名の自我充電用妄想)を求める人が沢山いるけれど、大抵一面的にしか少女を見ていない。少女が期待通りじゃなかったらどうするの? 少女に飽きたらどうするの?
ブルトン「ナジャ」などなど、そのような話はたくさんあるけれど、主人公が飽きてもてあます頃になるとみんな発狂したり自殺したりして消えてくれるんだよね。
みもこころもあなたのものになろうという女の子に対してそれでも飽きるということは現実にはいくらでもあるわけで、それでも大抵その女の子は発狂も自殺も失踪もしない。その時あなたはどうするの? と思うのです。妄想が現実化したとき、それをきちんと扱うことができるのか知りたいのです。

二階堂奥歯 『八本脚の蝶』 pp257-258)

 好きな相手にとって自分の存在が都合の悪いものだったらすぐに消えてしまう女の子に、なれるものならなりたかったです。