小池昌代『屋上への誘惑』
- 作者: 小池昌代
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 文庫
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初めて読む本。初めて読む著者。でもたぶん私、これ好きなんじゃないかな、と思って買った本だった。そしてやっぱり好きだった。
俺が覚えている今までで一番静かな時間は
俺の足が切断されたときだ
その他で言えばーー
好きなひとといる時間
そしてメイクラブをしているときの時間
ああ、それから
俺が、ナンバーを当てた瞬間
それで八〇〇ドル儲けたときがあったんだが
あれは静かな時間だったな
ほんとに静かだった
作中で紹介されている、老人が「静けさ」というテーマで書いた詩。かっこいい、と思った。最初から最後まで。