わたしの好きな女子校もの
わたしがマリみてを1巻しか読んでない(続きを読む気がしなかった)のは、わたしにとってカトリック系女子校が異空間じゃなかったからだろうな*1。
わたしが通っていたのはのんびりした女子校で、名門だったりお金持ちの匂いがしたりあいさつがごきげんようだったりはしなかったけれど、学内に修道院やマリア像はあったしロザリオは宗教の授業で作った。まぎれもなくミッションスクールだった。だからリリアン女学園の細部の描写で、それらを思い出してしまう。異世界に行った気分になれない。
女子校の空気が描かれてるだけじゃそれに酔えないわたしが好きになる作品は、その中でも特に読んでて「身につまされる」感覚を味わえるものだ。近年だと石井睦美『卵と小麦粉それからマドレーヌ』とか三浦しをん『秘密の花園』とか。女の子同士の関係性や、その中で芽生える感情に身に覚えがありすぎて痛いくらいのやつ。
わたしが女子校ものに求めてるのは、その「身につまされる」感覚なのだ。
マリみては、女子校で日常を過ごした者以外の、「女子校」を普段立ち入ることのできないファンタジー世界のように感じられる多くの読者に開かれた作品だと感じたから……前述した、わたしが女子校ものに求める要素は続きを読んでも出てきそうになかったから、読む気が起きなかったのだ。