モルグ街の殺人事件 (岩波少年文庫 (556))

モルグ街の殺人事件 (岩波少年文庫 (556))

これは理屈で説明のつくものではないが、人間の心の奥深くに住みついて、人間の性格を支配している気持ちのうちのひとつにちがいないと思う。してはいけないという、ただそれだけの理由で、あくどいことをしたり、愚かなことをしてしまうというのは、驚くほどよくあることではないだろうか。人間には、決まりだからというだけの理由で、正しい判断力を持っていながら、それを破ってしまう傾向がないだろうか。(p.10)