高校生のころの話

「毎日が同じことの繰り返しで退屈」って言える人が、羨ましかった。
 わたしの日々だって平々凡々だったけれど、それでも「同じことの繰り返し」とは思えなかった。周りの人に笑われないか嫌われないか失望されてないか毎日怖くてちょっとした出来事にびびってたので。やりたくないこと、苦手なことをどうやって乗り越えるか、もしくはどうやったら逃げられるか考える、いっぱいいっぱいの日々だったので。退屈するどころじゃなかったので。押し寄せてくる日々の雑事を、退屈するぐらい楽々と処理できるなんて、羨ましいな、と思っていた。