引用しすぎだけれど

 よしもとばなな『王国 その3』から、もうちょっと。

大丈夫ですよ、私が自分で決めたことだから。どこか遠くにほんとうにしたいことや行きたいところがある人の、体だけといっしょに暮らすのはいやですから……(P.110)

 私は知っている。ずっといっしょにいて、という願いはまぼろしに過ぎないと。
(中略)
「ずっとずっといっしょにいよう」それははかない願い、口に出したらきらめいてふたりの笑顔を誘うはずの小さな魔法なのだ。それが言えるくらいに安心してここにいるということなのだ。(P.124)