世界がどれだけ理不尽だったか

 「あの頃の私はもういない」って気持ちをあまり知らない。きっかけさえあれば、5歳の私も15歳の私もちゃんと戻ってくる。
 本を抱えて「誰もわかってくれない」って泣いて、世界を怖くて理不尽なところだと感じたことを絶対に忘れないと、小さい頃誓った。あれは今思えば、未来の自分との約束だった。今のところ私はその約束を守れているようだ。いつまで守れるかわからないけれど。