さわりたい

「えっと……さわりたいとか……そういうところがちがうのかも」

『樹上のゆりかご』

 女の子は好きだけれど、自分から「さわりたい」と思ったことはなくて。抱きつかれたりすると、「ああ抱きついてくれるくらいには私この子に嫌われてないんだ」って安心したり嬉しかったりするのだけれど。
 ……でも、だからといって男性にも、自分から「さわりたい」とは思わない、か……「さわりたい」じゃなくて「さわってほしい」なんだよね。さわってもいいくらい私のこと好きだって教えてほしい、という。……いやいやいやどこまで臆病なの受け身なの我儘なの、と考えておいて自分で自分に引いたけれど、それが本音だ。さわってくれないとさわれない。