自分の中の言葉と人に語りかけるための言葉

 自分の中の、自分にしか通じない言葉と、人に語りかけるための言葉って、ある。今自分の中にある言葉じゃ、表現じゃ、他人には伝わらないなと思ったら、伝わるように加工する。少なくとも私は。
 でもたまに、「自分にしか通じない言葉」で話しかけてくる人がいる。自分の中の言葉を、人に伝えるための言葉に変換しようとしていない(ように感じられる)人。それじゃわからないよ、私はあなたの頭の中の世界の住人じゃないんだから、と思う。とても怖い。

 もっと怖いのは、自分だって人に伝わらない、自分にしかわからない言葉で人に語りかけているかもしれないこと。たとえばこの文章も、自分以外の人にある程度通じるように書けているか自信が無いこと。がんばって加工したつもりだけれど、結局、表に出すまでには自分しかチェックしていないわけだから。