生きるのつらいし生きてて楽しい

 子どもの頃の話。
 ああ生きるのつらい、面倒くさい、死にたいと、わりと小さい頃(小学校に上がるか上がらないか)から思っていたし、一人の時にはそう呟いてもいた。
 明日苦手な体育の授業があるとか、ちょっとした失敗を大げさにからかう周りの子が嫌だとか、そういうことで、真剣に「このまま永眠できればいいのに」と念じながら夜ふとんに入るような子どもだった(……書いてみるとほんと、衣食住足りててちゃんと家族がいるからこその悩み、って感じですね)。

 でも思い返してみると、同じくらいの頻度で「生きてて楽しい」と感じてもいたな。きれいな夕焼けが見れたとかおもしろい本が読めたとか、そういうことで。長生きすればしただけたくさん本が読めるから長生きしたい、と思ったり。

 私なんか早く死んでしまえばいい、という気持ちと、長生きしたい、って気持ち両方ずっと持ってたような気がする。

 ただ、最近、「生きてて楽しい」の比重が大きくなってきたかもしれない。生きることへの執着が増したというか。「うわあ恥ずかしいほんと私生きてる価値無いって消えた方がいい死んだ方がいいうわあああ」ってなる頻度は子どもの頃とそんなに変わらないけど、子どもの頃ほど深刻な思いじゃなくなったかも。