可愛くなりたい?

 実はわたしはそんなに「可愛くなりたい」欲求が強くないんじゃなかろうか。引かれない程度、失望されない程度に清潔感のある格好でいられればいいか、というような。
 そりゃあ「可愛い」と言われれば嬉しいけれど、わたしは磨きがいのある容姿を持って生まれたわけじゃないから、磨くことにエネルギーを費やす気があんまりわいてこないのだ。
 でも、周囲の女の子が服装とかお化粧とか自分よりものすごく頑張っているのを目の当たりにすると、自分が女の子として失格のような気がして、焦ったりもしていたのだけれど……最近、それすら減退しているような気がする。


 わたしのこの傾向は、やっぱり親の影響が大きいのかな、とも考える。親が選んだ服を着るしかないくらい小さい頃、可愛い服を選ばれた覚えはまったくない。子どもだから、動きやすい服、汚れてもいい服、という感じ。まあ、いろいろ着せ替えて「可愛い」とちやほやされるような、可愛い子どもじゃなかったんだけれど。
 当時は、同世代の、可愛い服を買ってもらえる他の子がものすごーく羨ましかった気がするんだけど……でも、結局、大きくなって自分で服を選ぶようになってからも、服にお金を費やすのはなんか罪悪感があるし可愛すぎる格好を自分がするのは似合わない気がするしで、そういうことにたくさんエネルギー費やさない(費やせない?)、んだよねー。


 でも、同じ親の元で育った妹はわりと早くから自分で服を選んでねだって買ってもらっていたし、やっぱり本人の資質というか気質なのかな、とも思う。