捨てられない日記

 わたしはたいてい、書いてしまうとせいせいして、何を書いたか忘れてしまうことが多いから、昔の日記を読むと、ここここんなこと書きましたっけ! そういえば書きましたね! ……と赤面することになる。それはそれで楽しい。

 はてダを始める前は、大学ノートに日記をつけていた。引っ越すたびけっこう処分したけれど、一部は手元に置いている。人に見られたら死んじゃいそうにこっぱずかしい内容なのに捨てないのは、たぶん、忘れたくないからだ。小さな町が世界のすべてだった頃。大人から笑われるような些細なことが、死にたくなるくらい嫌だったり、世界が終わるんじゃないかってくらい怖かったりして、それでもそこで必死に生き延びようとしてたこと。