わたしの価値は

 実際に高校生の女の子で、ネットでも女子高生としてブログを書いていた頃、自分の価値はブログに書いたことからわかる、もしくはリアルでもちょっと接したらわかる事柄(女子高生、内気、本好き、等々)で構成されるイメージにあると思っていた。顔が見えない限り、わたしはイマドキな感じじゃないけどちょっとはかわいい女の子でいられるみたいだけど、でも実際に顔を見られたらおしまいだと。万が一、顔が許容範囲内でも、嘘は書いてないが一部分しか示していないブログのイメージ(もしくはリアルでちょっと接した時のイメージ)から一歩でも外れる行動をしたら、やっぱりおしまいだと。好意を示されるような価値は、そこにしか、無いから。
 だから好きな人と、たくさんの時間をいっしょに過ごすのが怖かった。いっしょにいる時間が長ければ長いほど、ボロが出て嫌われる確率は高くなると予想してたから。逆に、嫌われたい時には、ちょっとイメージから外れる行動をしさえすればいいのだと思ってた。

 ……それでも嫌われないなんて、思いもしなかった。