『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス)

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス)

 ばたばたしてたので数日前泣く泣く読むのを中断し、ばたばたがひと段落した今日になってやっと下巻まで一気に読めた。しーあーわーせー。
 読んだきっかけは、荻原規子『ファンタジーのDNA』に出てきたから。
 おもしろかった。あくまで野に生きるうさぎの視点で、最初から最後まで一難去ってまた一難、生き延びるための冒険続き。はらはらどきどきする。力の弱い、数も少ないうさぎたちが、自分たちよりずっと体が大きかったり、数が多かったりする敵(イヌやキツネ、人間、軍事的に統率された他のうさぎの群れ、などなど)に知恵を絞って立ち向かう、ってわくわくする。
 困難に直面するうさぎたちを勇気づけるのが、話し上手なうさぎ(語り部)によって語られる、世界はどうやって作られたか、神様はなぜうさぎにはやい逃げ足を与えられたのかなどの、先祖代々の伝承物語だというのも、いい。
 題辞もいちいち素敵。