ZOO

ZOO [DVD]

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 基本的にわたしは映像より活字が好きで、好きな小説の映像化となるといろいろと文句をつけたがる原作信者なのですが、これはよかったー。満足です。
 「カザリとヨーコ」も「SEVEN ROOMS」も「SO-far そ・ふぁー」も「陽だまりの詩」も「ZOO」、ここは原作どおりだなーここはちがうなーここだいぶ違うなーと思いつつ見てはいたけれど拒否感はわいてこなかった。「映像化」されたものとして受け入れられた。わたしには珍しく。
 それにしても神木くんは美少年だね、と一緒に観た人と言い合いました。
 「陽だまりの詩」のみ実写でなくアニメでしたが……冒頭で、アニメになると「女性ロボットを作製して自分の世話をさせる」っていうのがちょっぴり変態さんっぽいなあ、と思ってしまった。原作では語り手であるところの女性ロボットの容姿は詳しく出てこないけれど、アニメだとばっちり「少女」って感じだっただけに。
 「ZOO」はいちばん原作どおりじゃなかったけれど、おもしろかった。これに登場する男の人は、現実にはなかなかありえないと思うけれどフィクションの中ではわりと登場する、倉庫を改造した感じの場所を住処にしてたのですが、その虚構的かっこよさとは裏腹に、口から出る台詞は「俺おまえがいないと生きていけないんだよ……」というような情けなさたっぷりだったりして、そのギャップがツボった。

カフカ 田舎医者

カフカ 田舎医者 [DVD]

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 絵の質感がすごく好き。でもみんな、まぶたはどこへ行ったの?ってくらいに目を見開くからこわい。人物の動きの誇張のしかたが激しくて、いちいち伸びたり縮んだりふくらんだりしぼんだりするのもこわい。虫がうじゃうじゃわくところなんかむちゃくちゃ気持ち悪い。声優に狂言師さんたちが起用されているから、語りが狂言調なのがこわい。「裸にしちゃえ、そうすれば……」ってきれいなボーイズソプラノで歌われるのもこわい。
 好きなんだけれど説明しようとすると「こわい」しか出てこない。とりあえずこれは原作うろ覚えだから(読んだの中学生の時じゃないかな……)またちゃんと読もう。