お正月

 昼過ぎに外に出た。住宅街はいつもに輪をかけて静かだった。昼間なのにまるで深夜みたいな静けさ。
 元日の商店街に行くと、お休みでシャッターを降ろしているお店が多いわりには人通りがあったけれど、それもいつもよりはずっと少ない。宮城道雄「春の海」がスピーカーから流れてくる。箏の音を聞いても、もう「お正月っぽい」と思うより先に、箏曲部時代のことをあれこれ想起して懐かしくなってしまう。