荻原規子 『RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた』

 おもしろかった!
 「勾玉三部作」や「西の善き魔女」の主人公は、基本的に明るく強く行動的で、しかし危うい面も持つ女の子たちでした。物語を動かし周囲の人物を引っぱりまわしていた彼女らに比べると、RDGの主人公・泉水子は受動的で弱気な子です。『樹上のゆりかご』のひろみもどちらかといえば内向的だったけれど、泉水子ほどではなかった。泉水子は本当に、ふりかかる厄介事を受け止めるのがやっと、という感じですね(案外考えなしとか世間知らずとか、前者の主人公たちと通じるところもある気がしますが)。
 2巻で登場した泉水子のルームメイト、真響(まゆら)は、最初『薄紅天女』の藤原薬子や『樹上のゆりかご』の近衛有理のように、どちらかというと容姿も能力もふつうの主人公の傍らに位置する美人で優秀な女性キャラ、なのだと思っていました。しかしこの巻を読むと、彼女は「明るく強く行動的、しかし危うい」という、「勾玉」「西魔女」主人公の系譜を、もしかしたら泉水子より正統に受け継ぎ、物語を動かしている気がしてきましたよ。

 もいちど書くけど、おもしろかった! 次巻が待ち遠しいです。